第64章 通過者と棄権者と
「どうします?」
イビキや他の忍も流石にサスケの異変に気付いているようだ。
アンコも火影様に歩み寄り、やはり棄権させた方が良いのではと持ちかける。
(それは確かにそうなんだけど、でも……)
『アンコ…でもサス…』
「そう素直に言うことを聞くタマでもないでしょあいつは…」
さきが話し終えるより先に、カカシが言葉を被せた。
「なんせあの――― うちは一族ですから…
ねぇ、さき」
『…うん』
そう言うカカシと、それに同調したさきに、アンコが信じられないと眉間に皺を寄せ声を上げた。
「何バカ言ってんのよ!…あの子が耐えてるだけでも不思議よ。ホントなら…もう死んでるわ!」
そして火影様に、試合を止めるよう要求する。
「火影様!」
火影様はパイプから口を離し、煙を吐き出しながら判断を下した。
「大蛇丸の言ったことも気にかかる……サスケはこのままやらせ、様子を見ていく。
カカシとさきにはもう既に言ってあることだ…」
「ほ…火影様…!」
すがるような声のアンコを目で制し、火影様は最後にこう付け足した。
「ただし、呪印が開き力が少しでも暴走したら止めに入れ」