第64章 通過者と棄権者と
火影様の前に、第三の試験の予選審判を担当することとなったハヤテが現れ跪く。
「ここからは、審判を仰せつかったこの…月光ハヤテから…」
「……任せよう」
三代目が頷くと、ハヤテより第三の試験前にこれから今すぐ、予選を始めることが告げられた。
「えー今回は…第一・第二の試験が甘かったせいか…少々人数が残り過ぎてしまいましてね…ゴホッ」
体調の優れない者、説明を聞いて辞めたくなった者はここでリタイアが可能だ。
(でもここまできて、リタイアする者なんてきっと…)
そんな予想とは裏腹に、さきの苦手なあの笑顔で手を挙げる者がひとりいた。
「あのー…ボクはやめときます」
『え…?』
「え?!カ……カブトさん」
手を挙げたのはカブトひとり。
いつの間に話すような中になったのか、とても残念そうな表情でナルトが話しかけている。
さきは、一体彼が何を考えているのか、これでさらに分からなくなった。
前回も第三の試験で突然辞退したカブト。
この試合で仮に負けたとしても、中忍としての器が認められた場合、昇格することは可能だ。
(そんなこと、もう何度も受けてる彼ならわかってるはず…なんで?合格する気はないの…?)