第57章 mythology
(やっぱり忍…花巻一族…ね)
さきは人差し指を軽く折り曲げ、唇にそっと触れた。
思いがけない情報の収穫だ。
軽く思考を巡らせたが、一人で抱えるにはあまりに勿体ない。
(木の葉に帰ったら、火影様に聞いてみよう)
妙にこの件が気になったさきは、ひとまず火影様に話を伺ってみることに決めた。
(彼らの功績は、もっと讃えられるべきよ。 もし、火影様が花巻一族を知ってるのであれば、あの大樹の保全にもう少し力を入れられないか相談してみよう。)
自分のような人間の意見を聞き入れてくれる自信はあまりなかったが、それがせめてもの供養になるだろうとさきは考えた。
暫くして、さきは湯のみの茶を全て飲みきり、笑顔で村長に礼を伝えた。
『貴重なお話、ありがとうございました。 良ければ、この村を散策しても?』
「ええ。どうぞ。 先程から子供たちがあなたがたに興味津々です… 村の外の話を、是非聞かせてやってください。」
村長が指さした方を見ると、まだ5歳にも満たない幼い子供や、サスケくんたちと同じ年齢くらいの子供数人が、じぃっと窓の外からコチラを眺めていた。
『ふふ 可愛い』