第57章 mythology
『…あの村長さん。それでは、他の伝説についてはどうなんです?
ある旅人が現れて、乱世を鎮め、生命を救う…などと聞いたことがあるんですが』
村長はほんの少しだけ考える素振りを見せ、おもむろに口を開いた。
「そうですね…恐らくそれも花巻一族の一つの能力でしょうが…その力を知るものは恐らくこの世にはもう居ませんので、正確には分かりかねますな。
花巻一族は、第3次忍界大戦で全滅した。そして今は休戦中です… このまま争いが無くなり、乱世を鎮めてくれるのであれば、彼らこそ、その言い伝えの英雄では無いかと、我々は思います」
なるほど、確かにそのように捉えることもできる。
さきは小さく頷いた。
『そう…ですか… あの、もしかして花巻一族は、忍一族ですか?』
不思議な能力を持つ一族だ。
忍の隠れ里に住んでいなくとも、彼らが忍であった可能性は大いにある。
そのさきの予想は見事に的中した。
「えぇ、よくお分かりで。彼らの殆どが忍でしたね。あなたがたと同じ木ノ葉隠れ出身の。
ただ、みなこの村での仕事を任せられるので、里へ身を置くものは殆どいませんでしたねぇ。」