第56章 花ノ村
「うむ。 同行する医療忍者は、花ノ村で薬品の調合などについて幾つかの情報共有を行う予定じゃ。恐らく数日程でそんなに長くはかからんだろうが、焦ることは無い。 中忍選抜試験の前日には帰ってくるよう頼んだぞ。」
火影様はデスク越しに一本の抹茶色の巻物をさきに渡した。
「これがその巻物…それからこれが任務の資料じゃ。地図もそこにある。
気を付けて行ってくるのじゃぞ。」
さきは里から村へ渡す巻物と任務の資料を火影様より受け取った。
『わかりました。 それでは、失礼します。』
◆
里唯一の出入り口である阿吽の門へ向かうと、さきと同行する二人の忍が既に待っていた。
『すみません!お待たせしました』
「大丈夫です!数日間、よろしくお願いしますね。」
『こちらこそ。 それじゃ…まずは地図をみんなで確認しましょうか。』
さきは早速地図を開き、目的地の確認を始めた。
(あ、意外と遠いんだ…)
ここから花ノ村までは、途中休憩を挟んだとして、おそらく丸一日はかかるだろう。
何かあった時のために簡単に決め事をし、
『じゃ、行きましょうか』
さきの合図で、三人は出発した。