第55章 異例発表
――――――そして。
その日のうちに、さきはアンコの補佐として第二試験を担当することが正式に決まった。
またそれに際し、情報漏洩を避けるため、試験当日まで受験者への接触を火影様より禁ぜられた。
その間は、さきはカカシ班とは別の任務を受けることとなった。
さきを小隊長として、明日から数日間里外へ出向く任務が開始する。
詳しい指示は、また明日火影室にて受けるように、との事だった。
◆
―――――― その夜のこと。
『…ってことやから。カカシ、みんなによろしくね』
「ああ。アイツら文句言ってきそうだな。お前が居ないことに」
『まぁ、試験に推薦したことは前日に言うもんねー…。なんで私が何日も顔出さないのか、しつこく聞いてきそうね』
特にナルトくんが、と続けたさきの言葉に、カカシは少々面倒臭そうに長い息を吐く。
『でもま、男子組は試験に乗り気やろうね。ただサクラちゃんは…』
「ああ。だから3人揃っていないと申し込めない事は直前まで伏せようと思ってる。 そうしなければ無理にでもサクラを誘うだろう…アイツらの事だしな。…どう思う?」
(やっぱりカカシは皆のことをよく見てる。)
さきは心の中でそう思った。
(今日もサスケくんに厳しく言われてたサクラちゃんのこと、よく見てたもんね。…ま、あれもサスケくんなりの遠回しの親切心だとは思うけど)
言葉選びが下手くそなのは、これから教えていくしかないかな…などと考える。
『うん、それがいいね!』
さきはカカシの考えに笑顔で賛成した。