第49章 若きその姿に学ぶ
イナリも、ナルトも、そしてさきやサスケやオレも同じ寂しさや悲しみを知っている。
生まれて間もなく親を亡くし、里の者にも相手にされない…その点では誰よりもツラい過去を持つナルト。
けど、一生懸命に頑張っているあの姿は、誰よりも強く、明るく、尊敬に値するものだ。
「アイツは泣き飽きてるんだろうなぁ」
―――――― そして、前だけを見て、生きている。
「だから…強いって言う事の本当の意味を知ってる…君のお父さんと同じようにね」
“ 自分にとって本当に大切なものは たとえ命を失おうと この2本の両腕で 守り通すんだ ”
カカシの頭には、カイザさんの言葉が強く残っていた。
(ナルトにはナルトにしかない影があって、この子にどうしても伝えたいことがある。 オレなんかよりずっと立派なやつだよ、ナルトは…)
「ナルトは、君の気持ちを一番分かってるのかもしれないな…アイツどうやら…君のことが放っておけないみたいだから」
―――――― オレもナルトに学ばないとな。