第49章 若きその姿に学ぶ
(ナルトくんには、ナルトくんだけの過去がある…そして、今はあの幼いヒーローの子に、どうしても伝えてあげたいことがあるんよね?)
ナルトが乗り越えた悲しく孤独な過去、そしてその勇気とド根性。
立ちはだかる壁にも立ち向かっていくその強い心。
イナリくんに伝えたいことがきっと沢山あるのだろう。
言葉ではなく、行動で示して…。
(いくらチャクラコントロールがうまくなっても、たくさんの技を身につけても、戦闘力をつけても、ナルトくんの方が私より何倍も強いな…)
―――――― 私も、ナルトくんから学ばなきゃな。
『私も一緒に頑張らせてね.』
―――――そしてさきは、スヤスヤと眠る彼に言葉を落とし、一人でここに帰ってきた。
『大丈夫です。 あの子も子供じゃない。』
「心配いりませんよ。 あぁ見えてもアイツはいっぱしの忍者ですから」
さきとカカシは、ナルトの一生懸命な姿を知っていた。
だからこそ、二人は顔を見合わせて笑いあった。
『サスケくん、後でナルトくんとこ行っといで。 負けてられへんよ?』
「…ふん 本当に死んでんじゃないか?」
そう言っていたサスケも、やはりナルトのことはとても気になっているようで、朝食を済ませたあと、直ぐにナルトのいる所へ行ってしまった。
(――――― うん、それでいい。)
高め合い、助け合い、認めあって彼らもまたいいライバルになるのだから。