第46章 敵現る
強そうな敵を前に興奮したのか、敵の情報を何も持ちえない、何も知らないナルトが勢いよく飛び出して行きそうになる。
『ダメ、ナルトくん!邪魔になるから…』
ナルトの前に立つさきは直ぐに片手でそれを制し、チラリとカカシに視線をやった。
(こんなヤツの相手はカカシにしか出来ない…)
カカシは徐に額当てに手をかけた。
「このままじゃぁ…ちとキツいか…」
「“写輪眼のカカシ”と見受ける………悪いがじじいを渡してもらおうか」
『……三人とも卍の陣を組んで、タズナさんを守るよ。 この戦いには加わらない事。 それがここでのチームワークやからね』
さきは三人に沿う指示を残し、カカシのサポートを…と彼の右隣に少しの距離を置いて立った。
「再不斬まずは……オレと戦え」
手を掛けた額当てをグッと上に引き上げ、写輪眼を露わにするカカシ。
写輪眼の説明をするサスケや再不斬の話にも口を出さず、ギロリと再不斬を睨み付ける彼の目は、獲物を捉える獣のように鋭く冷たかった。
『皆早く位置について!』
さきの声とほぼ同時に再不斬は柄の上で体制を整え始めた。
三人は、バッと素早く陣を組む。