• テキストサイズ

【NARUTO】繋ぐ場所【カカシ】

第43章 適材適所


 ぴくっとさきの肩が揺れる。
 驚きや戸惑いを隠すことなど出来なかった。
 火影様は真剣な眼差しではあるが、表情はとても柔らかかった。



 カカシに以前聞いた、第三次忍界大戦時と今とでは、この忍界も全く状況が違う。
 諸国では小さな紛争が起きているが、ここ木の葉隠れの里…火の国では今のところそれもない。
 もともとさきが暮らしていた世界と比べればまだ平和で安心できる世の中とは言い難いが、それでも随分良くなったのだと話に聞いていた。
 つまり、特別早い昇級が与えられるような時代でもないのだ。
(そんな中、私がいきなり特別上忍…?)



 カカシは6歳で中忍、12歳で上忍となって、暗部へも入隊経験があるとても優秀な忍だ。
 さきの目標でもあり、一番護りたい人に違いない。
 


 火影様は、有難いことに、さきが目指していた中忍よりも更に上へと推して下さっている。
(けど……今の私に特別上忍が務まるの? 今の私で本当にカカシをサポート出来るの? 私こそ…カカシのお荷物になるんじゃない…?)



 たかだか中忍試験を突破したばかりの、忍としての経験の殆どないこんな私が、まだ強くなりきれていないこんな私が、そんな立場になって本当に良いものなのか……不安と少しの恐怖が、さきの喜びの感情を飲み込んでいく。



 さきの手は少し、震えていた。


/ 641ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp