第43章 適材適所
「里の上層部から、夜野さきを暗部へ入隊させてはいかがかという話が先日の中忍選抜試験以降出ておる。」
「あ、暗部…ですか?!」
カカシは思わず聞き返した。
「そうだ。 さき…暗部とはこの里の暗殺戦術特殊部隊の通称であることは知ってるな? その女暗部部隊にという話だ…」
さきは頭が硬直してしまって、上手く話が入ってこなかった。
先程中忍を言い渡されて、次は暗部だなんて…聞き間違いではないか?とも思ったが、二度も三度も聞けばそうではないことくらい明確だ。
(いっ…いやいや、そんなもの私に務まるわけない…ていうかなんで私なんかが?)
グルグルと謎ばかりが頭を駆け抜け、目は点になり、口はぽかんと半開きになる。
「まぁ、驚くのも無理はないだろうな。 しかし、先日の戦いによってそれに準ずる力がお前にはあると上から認められたのだ… 暗部に入隊すれば、お前のその素晴らしい力を里の為に存分に発揮出来るということは間違いないであろう」
『は…い。』
さきの返事の声が震える。
「カカシよ。 お前は、さきにはどの程度の資質があると見る? 多少の贔屓目はあるにせよ、最も近くでさきの成長を見てきたのはワシでも他の誰でもない、お前じゃ。 どう思う?」
「……彼女は強くなる為の努力を惜しみません。 今回の中忍試験へ向けても、人一倍懸命に努力したのだと思います。 中忍を言い渡された火影様のご判断にオレは同意します。……暗部への入隊も、問題なく可能かと…」
「…それだけか?」