第43章 適材適所
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ピィーヒョロローーー…
上空で伝令鷹が鳴いている。
「さき…三代目がお呼びだ。」
『うん……何やろう?』
眩しい五月の太陽の下を円を描くように飛ぶその鷹は、さきとカカシに招集を求める火影様からの合図だ。
二人ははてと顔を見合わせ、とにかく行ってみるかと無言で頷きあい、共に火影室へ足を運んだ。
「早かったな。カカシ、さき。今日はお前達に大事な話があって呼んだのじゃ。 その前にさきよ……」
『はい』
「中忍選抜試験、ご苦労。 お前の忍の姿全て見せてもらったぞ。 実に見事じゃった。」
『ありがとうございます』
「これからも精進するようにな。……して、今回二人を呼んだ理由だが…」
火影様が改めて空気を変えたために、場に少しの緊張が走る。
一体何を言われるのだろう、とさきは緊張していた。
「夜野さき、お前を中忍として認めよう。」
『…!! あ、ありがとうございます!!』
「うむ。だが……ここからが本題だ。」
(え? 充分すぎるほどのビッグニュースなのに?)
さきは大きな目を瞬かせた。
これが本題じゃなく、枕というのならそれはそれは腰が抜けるほど物凄い話…なのだろうか。
「カカシ。 今から話すことについて、お前にも意見を求めようと思ってな。」
「? オレ…ですか」
「そうだ。」
火影様はパイプを一口吸い、紫煙をふぅと吐き出してからゆっくりと続けた。