第42章 突破
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_______ さきは、中忍試験を優勝という形で突破した。
運良く、偶然知り合った自来也に修行を見て貰えたということもあり、火遁のように多くの術は習得出来ていないが、目標だった火遁以外の性質変化、雷遁を覚えることができた。
そして彼女の愛刀となった、“蛍丸”。
これは1ヶ月間の修行中、自来也の勧めで訪れた神社で譲り受けたもの。
蛍の夢伝説からその名が付いたという夜の刀だ。
どちらもまだ完璧に使いこなせるという訳ではなかったが、この二つは確実にさきの大きな戦力となり、また彼女の中で自来也は恩人となった。
さきが第三の試験で優勝を飾ると、多くの観客から彼女への歓声と注目が集まった。
しかし、そういうものが苦手なさきはあまりその場に長居したくなくて、試験が終わり次第そそくさと逃げるように家に帰った。
(別に見世物じゃないし、賞賛されなくてもいい。 私はただ自分の大切なものを、護りたいと願ってるだけ。)