第41章 仙人との出会い
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――――― そして、あれから五日。
さきは今日も修行をする。
たった一人で、朝から晩までずーっとだ。
…そのつもりだったのに。
『いつからここは水浴び場になったん?』
朝起きて、今日も頑張ろうと寝床にしている大きな木の上から修行場に選んだ滝壺へやってくると、そこには自分と同じくらいか、もう少し若いくらいの水着姿の女性達が何人もいて…キラキラと太陽の光を浴びて輝く冷たい水でキャッキャと楽しそうに遊んでいた。
何故かこの場所が占領されている。
(いや、別にいいけど。 わざわざ朝から?)
何の為にこんな自然の豊かで静かな場所をわざわざ修行場に選んだんか分からんやんこれじゃ…と不満を胸に、また場所探さないとなと小さく溜息をつく。
ひとまずやることがなくなってしまったさきは、腰を下ろして美女たちをぼ~っと眺める。
大きな滝の音、楽しそうにはしゃぐ声、太陽の光を受けて美しく輝く水しぶきに、傷一つない白くて柔らかそうな肌。
自分の腕をチラっと見ると、擦り傷や切り傷が沢山だ。
別にそのことに不満を感じることはなかったが、こうして比べてみると、汚い腕だな…と少し恥ずかしくも思った。
ふと、ここから少し遠くの木の上で妙な気配を感じた。
『…ん?』
じっと目を凝らすと何やら怪しい光がチカチカと光っている。
(…なに、あれ。)
さきはなんだかそれが気になってしまい、気配を殺して木に近寄った。
すると…
『ちょっと? ここで何してるんですかオジサン。』
「んん?」