第1章 真夏の旅人
さて、そうなれば話はトントン拍子で進んで行った。
三代目火影は、まずはさきがどのようにしてここに来たのか、そして帰る手段はないかなどを、このはたけカカシを中心に何名かの忍で調査するよう命じた。
その後、さきがある程度安全な人であることを確認したのち、カカシにワイヤーで縛られた手足が開放された。
おかげで血が滲んですごく痛いが、解放されたという点では、ほんの少しの安堵を感じられた。
そしてさきは今。
『カカシさん!!ねぇ!おーろーしーて!!!』
「仕方ないでしょ。 キミ、怪我してるし、家まで連れ帰って護衛しろって任務も与えられたんだから…」
はたけカカシの手に抱きかかえられて、家々の屋根の上を駆けている。
上下運動とその浮遊感が何度も体を襲ってくる。
そのたびに乗り物酔いや3D酔いにも似た感覚を覚えて少し気持ち悪い。
『酔う!酔うってば!ねぇ!』とさきは叫んだが、すぐだからと取り合ってもらえなかった。
それにさきはミニスカートを履いていた。
もし地上から私たちを見上げる人がいたらどうする?パンツ丸見えやで?! 四捨五入してアラサーにもなる私のパンツなど見ても誰か喜ぶとは思わない…が、見られる側としてはこの上なく腹立たしいものだ。
しかし、そう思っていたのもつかの間で、案外早く目的地へと着いた。
ここが、カカシさんの家 だそうだ。