第2章 胡蝶蘭~すべてのはじまり~
「「天正十年?!!!」」
流石の現代人は驚いていた。
ましてや、自分たちがタイムスリップしたとは思いもしなずに。
「これ、夢...?」
「夢、だよね...?」
「夢なわけあるか。貴様ら、大たわけか」
「「え??」」
「火事で怖い思いをしたせいでしょうか...おいたわしい...」
「どうしますか、御館様...」
「連れ帰る。子奴らには褒美を与えねばならん。俺の命を救ったのだ」
「しかしっ!!!どこの者かわからない者を城に入れるなど何かあってからでは遅いではないですか!!?」
「五月蝿いぞ。俺がそんなにこやつらに殺られると思っておるのか」
「いえ。そうではありませんが...もしもの話をしているのです!」
信長の提案に秀吉は案の定食いついた。信長に盾突くような輩がいてもおかしくは無い。今大人しくしていても後で本性を表す可能もあるからだ。
「...いいよね、紗和」
「うん、私もいいよ愛心」
「「りっちゃんがどうかはわからないけど」」
そう、このふたりは生きる為ならばどこへでも着いては行くが、六花はそうではない。
怪しいものにはついて行かない傾向にある。
その時、天幕からある女がでてきた。
六花だ。
「来たか」