第3章 胡蝶蘭~嫌がらせと久しぶりの対面~
そんな会話をしている間に襖が勢いよく開いた。
開いた本人は皿を持ってきていた。
美味しそうな...匂い。
そう思っていると、目の前にドスンと座り込んで皿を差し出した。
「朝から何も食べていないだろ?食えよ」
「あ、ありがとう、ございます......」
そう思い、箸をとりおかずを口に入れるとほっこりした味がした...。
今まで...味がしたことなんてなかったから
思わずぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。
「「「「「!!!」」」」」
「ど、どうした、六花?!」
「あ、りっちゃん...味わかった?」
「どういう事だ、紗和」
「りっちゃんは...言うなれば...光秀さんと同じようにお腹に入れば同じって味が今までわからなかったの...ね?」
「うん...っごめん、なさ...っ」
「なんだ、そんな事か!...ほら、いっぱい食えよ?」
「え...?」
「んー?どうした?」
「だって...私、突然泣いて迷惑...っ」
「誰も迷惑に思わない。だから食べなよ」
「うん...っ、ありがとう...」
「なんだー?家康。いつの間に仲良くなったんだ?」
「それは政宗さん以外でしょうね」
「は?どういう事だ?」