第3章 胡蝶蘭~嫌がらせと久しぶりの対面~
「お前は笑っていた方がいいな」
「そうですね、可愛らしい笑顔です!」
「そうだね。三成と同じなのは気に食わないけど、笑ってなよ」
「くくっ...。確かに愛らしいな」
「貴様はそうやっていつでも笑っておれ」
「え...と...はい?」
上手く笑えない私にまたもや、一言が飛んだ。
「無理に笑わなくていいからな?」
「え、でも...」
「笑える時に笑っていればいい」
「わかりました...ではそのように...」
「それと畏まらなくていいぞ?敬語もなしだ」
「え、でも...」
「『秀吉』でいいからな?兄貴として頼れよ?」
「ほう?世話好きだな、秀吉は」
「光秀、てめぇ...っ」
「俺も敬語いらない。『家康』でいいから。ほら、言ってみ」
「あ、いえ、やす...?」
「そう...これからはそうして」
「うん、分かった...」
また微笑むとまた声がかけられた。
「『信長』で良い。織田はいらん。この場にはこ奴らしかおらん、畏まるでない」
「あ、はい...信長様...でよろしいでしょうか...?」
「あぁ、それでよい」
そう愉快そうに信長様は笑っていた。
気分がいいのかな。
「六花」
「え?あ...」
「俺も『光秀』でいいぞ。敬語も畏まりもいらん。...暇さえあれば構ってやろう」
「え?!...そんな恐れ多いこと...」
「なに、恐れることは無い。俺がお前と話したいだけだ」
「あ、それじゃあ...光秀さん、でいいですか...?」
「あぁ」
光秀さんは綺麗な笑みで優しく微笑んでいた。鋭さも感じずに。
「六花様。私のことは三成とお呼びください。敬語もいりません」
...すごい笑顔だ。
可愛い...。
たぶん、これが世の中で言う、天使の微笑みだろう。
キラキラしてる。
「あ、うん...みつなり、くんでいいかな...?」
「はい...!!」