第3章 胡蝶蘭~嫌がらせと久しぶりの対面~
「秀吉、俺は優しいらしいぞ?」
「あ?お前の底知れねぇ本性見てねぇからだろうが」
「ほう?お前が言うのか?お前はこの小娘が心配でたまらなかったのだろう?疑いもせずに」
「え?疑われてないんですか?」
まずはそこだった。
疑われてもおかしくないのになんで?
それに私は怪我治ったら追い出されるんじゃないのだろうか?
「疑う理由がないからな」
「え?なんで...」
「お前、針子の仕事手伝ってくれているだろう?それにその届けは楓乃がしている。お前の部屋には忍びを忍ばせているが、何も怪しいことは無かったし、俺らが用意したものを普通に使っていた。怪しければ疑うだろう?」
「あ...暇、だったので......」
「針子の仕事で作ってくれた羽織は俺ら、武将の羽織だ。着心地が良くて助かってる」
「そうだったんですか...でも着心地がいいならよかった、です...」
少し笑うと、武将達は驚いていた。
何も驚く必要も無いとは思う...。
そりゃ...そんなに笑うことが無い私が笑えば変かもしれないけど...。