第3章 胡蝶蘭~嫌がらせと久しぶりの対面~
それに...先程から視線を感じる。
琥珀色の目をして白い髪の...見透かそうとしてるのかかなりの圧を感じる。
「すまんな、怯えさせたか」
「え?」
「自己紹介がまだだったか。俺は信長様の左腕の明智光秀だ。六花と言ったな?」
「あ、はい...」
「顔を上げろ」
「あ...」
「あ、りっちゃん。光秀さんは謎が多すぎて近づきにくいの」
「あ。そうなんだ...でも優しそうな人、だね...」
その一言に場が凍っていた。
なんでこんな空気が重くなったのだろう?
変な事言ったのかな。
恐る恐る織田様を見るが、愉快そうに笑っていた。
「やはり、貴様は面白いな」
「は?面白い、ですか?」
「この光秀を優しいという人間は貴様だけだろう」
「え?違うんですか?」
ぽかーんとした。
確かに冷たさを秘めているが、この瞳の色に覚えがあった。
あの時に...優しくされた時の人と同じ色だったから。
...それにここにいる武将はいい人なのだろう。
信じれるかは別として。