第3章 胡蝶蘭~嫌がらせと久しぶりの対面~
「あの...わたしは、何故......」
「顔を合わせてないだろう?」
「え?」
「紗和と愛心も心配しておる」
「あ......」
「怪我、大丈夫か?」
「えと...?」
「秀吉さん。まずは名乗りましょうよ」
「え?...あぁ。俺は信長様の右腕の豊臣秀吉だ。よろしくな、六花」
「あ、はじめまして...よろしくお願いします...えと、怪我は前よりも良くなりました」
「そうか、それならよかった」
そう言い、豊臣様は人の良さそうな笑みで笑った。
お兄さんって感じの人なのかな、と思って
いつの間にかじーっと見つめていた。
その様子に
「どうした?」
「え、あ、いえ...えと...」
慌てて言おうとしたら
「慌てなくていいぞ?言いたいことがあるなら、ゆっくり言え?困った事があったら相談しろよ?」
「え、でも...」
流石にそんな...ただの寝泊まりされてるだけの私になんでそんな優しくするのかわからなかった。
優しくされる理由がない...。