第4章 ふわふわの綿菓子のよう
何やら今日は、新作の抹茶ぱふぇというものがあるそうで、それを1つ注文した。
小芭内さんは珈琲を注文。珈琲は明治に登場しだして、まだまだ高い飲み物だけれど、飲めるお店は増えてきている。
私はあの独特の苦味が苦手で飲めないけれど。
「抹茶ぱふぇ美味しいです小芭内さん!
ひと口如何ですか?」
「俺は気にするな。美味いなら遠慮せずに食えばいい」
「むー……美味しいから小芭内さんにも味わって欲しいのに…。」
「わ、分かったから泣きそうな顔をするな。
……あ。」
小芭内さんが口を開けてくれたので抹茶アイスを口に運ぶ。
モグモグと小芭内さんが咀嚼して、飲み込む。
「どうです?」
「ふむ…確かに美味いな」
「でしょう!?これは蜜璃ちゃんにも教えてあげないといけませんね。」
私がそう言うと、小芭内さんは「ああ、」と言って柔らかく微笑む。