第4章 ふわふわの綿菓子のよう
「いい天気ですねぇ」
「……そうだな。」
空を見上げると雲がなく、綺麗な青空が広がっている。昼間はこうして穏やかに暮らせるのに、夜になると鬼に怯えて暮らさなければならないなんて。
「早く、鬼舞辻を倒して、昼も夜も怯えることなく暮らせるようになりたいですね」
「ああ。未来のためにも。」
キュッと小芭内さんが私の手を握る力を強めた。多分無意識だろうけど、そこに小芭内さんの確固たる意志を感じた。
私もキュッと小芭内さんの手を握り返す。
その時、
「あー!さん!伊黒さん!」
男の子の元気な声が聞こえて、
小芭内さんと振り返ると
「あ、炭治郎くん!」
竈門炭治郎君が走って来ていた。
その後ろからは我妻善逸くんと、嘴平伊之助くんが追いかけるように走っている。
「チッ」
隣の小芭内さんから舌打ちが聞こえて、
子供に舌打ちって……と思うが、
「あはは…」と微笑んでおいた。