第3章 ❀できるなら、愛しい貴方といつまでも
鳥のさえずりが聞こえてきて、自然と瞼が開く。日が差し込んでいて、朝が来たのだとわかり体を起こそうとするが動かない。
横を見ると、
「し、師範!」
小芭内さんが私を抱きしめてスースーと寝ていた。しかしこれ、起きているのでは?と思うほど力強く押さえつけられている。
「師範……」
寝顔がなんとも幼くて、昨夜の情交の際に見た大人の男の人の顔はなりを潜めている。
「小芭内、さん……ずっと、離さないでくださいね。大好き……ですから」
そう言って頬を撫でると、パチッと小芭内さんの目が開いて見つめ合う。
「しっ、師範!」
「小芭内だ」
「小芭内さん……」
小芭内さんの顔が近づいて、唇が重なる。
「目が覚めて、お前が隣で寝ているというのはなんとも良いものだな」
小芭内さんが目を細めて嬉しそうにそう言うものだから、私の胸がキュッと掴まれる。
「私も、隣に小芭内さんがいるだけでとても安心します。……おはようございます、小芭内さん」
「……ああ、おはよう。…」
また、どちらからともなく唇を重ねる。
どうかいつまでも、
この幸せな時が続きますように。
~完~