第3章 ❀できるなら、愛しい貴方といつまでも
そのまま師範に抱き上げられて、着いたのは寝所。いつの間に用意していたのか、布団が一組敷いてあった。
その上に仰向けに寝かされて、性急に唇を奪われる。ちゅ、ちゅ……と音が響いた。
「……は、」
啄む様なキスの嵐。師範の顔が離れたと思ったら、目頭にキスを落とされた。
「師範……」
「名を呼んでくれ。今はお前の師範ではなく、
ただの伊黒小芭内だ。愛する女に心を奪われた……な。」
「もう……。小芭内さん。もっとキスして……」
私がそう言うやいなや、すぐに小芭内さんの唇が私に降り注ぐ。
唇が重なったまま、トントンと何かに唇を叩かれて、私の唇が浮く。その瞬間、ぬるっと口内に何かが侵入した。
「んっ!?」
其れが小芭内さんの舌だと分かったのは、私の口腔を蹂躙されてからだ。
歯列をなぞられ舌の裏側を擦られる。
私の舌と合わさり、くちゅくちゅと水音がたった。
「はふっ、んん……ぅ」
自然と口からいやらしい声が漏れ出て羞恥に顔が赤くなる。こんな声、小芭内さんに聞かれたくないのに。
ちゅぷっ……
と音を立てて小芭内さんの唇が離れた。
ハァハァと荒い息をしながら小芭内さんの口元を見ると、銀色の糸が私の口と小芭内さんの口を繋いでいた。
それもプツンと切れてしまい、少しだけ切なくなる。