第3章 ❀できるなら、愛しい貴方といつまでも
「ありがとうございます小芭内さん。私を愛してくれて。私を貴方の伴侶にしてくれて。私……貴方に会えたから、今を生きられてるんです。
絶対、幸せにしますね、師範」
「……。礼を言うのは俺の方だと思うがね。俺のような男にお前はついてきてくれた。愛想を尽かさず傍に居てくれる。幸せにするのは俺の役目だ」
師範の綺麗な瞳と見つめあって……
キスをした。
あの晩以降、キスは何度もした。
唇が触れ合うだけの優しいキス。
師範の……大好きが伝わるキス。
「、俺はお前を大事にしたいと言ったこと覚えているか?」
「……はい。覚えています」
「大事にするから……
愛させてはくれないだろうか」
「!」
それは、つまり……
「祝言を挙げた。けじめはついた。
お前と一夜を共に過したい。」
あの夜、一度だけ師範と寝た。
でもそれはいわゆる添い寝で。
これは、閨事(ねやごと)のお誘いだ。
私の喉がゴクッと鳴った。
師範にも聞こえたかもしれない。
「わた、私……も、愛されたいです……
小芭内さん……っ!」
緊張して喉が掠れてしまったが、
師範にはちゃんと聞き取れていたらしい。
「ああ。嫌という程愛してやろう」