第3章 ❀できるなら、愛しい貴方といつまでも
「師範、お待たせしました……」
居間に行くと、師範は軒下に出て月を眺めておられた。
近づいて隣に座ると、
「出たのか」
師範は私の髪を掬う。
そのまま私の髪に口付けされた。
月に照らされて、とても綺麗で。
「……伊黒、さん」
「お前も今日から伊黒だ。」
目を細めて言う師範がとても儚く見えた。
師範の首に腕を回して、キュッ……と抱きしめる
「お、小芭内……さん」
「どうしたんだ」
師範も私のことを抱き締め返してくれて、
応えてくれるのがとても嬉しくて、胸がキュンと鳴る。
蜜璃ちゃん風に言うと、キュンキュンしちゃうわ!ってぐらいに胸がドクドク脈打つ。