• テキストサイズ

優しい貴方【鬼滅の刃】

第2章 失いたくないあなただから


「し、師範脱ぎました?」

「ああ。」

「じゃ、じゃあ私も脱ぎますけど、絶対振り返らないでくださいね!」

「……ああ。」

なんでそこ即答じゃないんですかね!

師範に背を向けていそいそと隊服を脱ぐ。
一糸まとわぬ姿になり、バスタオルを体に巻き付ける。

「できたか?」

後ろから師範に声をかけられ、

「は、はい」

と返事をするがその声が震えていて情けない。

「。何も取って食おうなぞ思っておらん。お前のことは大事にしたいし大事にする。いきなり襲うことはしないから、怖がるな」

ああ。しのぶちゃんに変なこと吹き込まれたけど、師範はただ、私を大事にしすぎてるだけなんだ。

今だってこの程度で震えている。

そんな私を、師範は見抜いて手を出してこなかっただけだ。師範の優しさなんだ。

「っ、もう、大丈夫です師範。
……いえ、伊黒、さん。」

「……また、名前を呼んだな」

声だけで分かる。師範がとても嬉しそうだと。

『名前で呼び合うのは親愛の証とも言いますしねぇ……。』

しのぶちゃんの言った言葉が脳内で再生された。私が師範を好きだと、ちゃんと伝わったのだろうか。

「ならば早く入るぞ。体が冷える。」
/ 144ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp