第7章 ❀縺れ合い解け合い
私は今、とても怒っています。
任務が終わって町について、食材の買い出しをしていたら小芭内さんが見えたから。
「小芭内さー……!?」
声をかけようとしたら、小芭内さんが見知らぬ女の人と抱き合っているのを見てしまった。
あ、逢い引き?!
やっぱり私に愛想が尽きて…!?
そう思ったら悲しいより先に怒りが来て。
あの顔も知らない女の人にも。
小芭内さんにも。
ダン!!と大根を真っ二つに斬る。
もう、出て行ってやる。その方が小芭内さんだってあの女の人とコソコソ隠れて会わなくて済むし、愛想の尽きた私の顔を見なくとも済むだろう。
そう思っていたら、玄関がガラガラと開く音が聞こえた。
「ただいま」
小芭内さんの声が聞こえる。出迎えなきゃ。
でも、顔合わせたくない。ウジウジしていたら、小芭内さんが台所まで来てしまった。
「ただいまどうかしたのか?」
私が向かえに出て来ないなんて初めてだからそう言っているのだろうけれど。「どうかしたのか」って、貴方自分が何していたか気づいていないと言うんですか?
「いえ、おかえりなさいませ小芭内さん。居間でお休みください。」
笑顔を取り繕ってそう言うと、小芭内さんは首を傾げながら台所を後にした。
帰ってくるの遅くない?そんなにあの女の人と長々と抱き合っていたというの?
悶々としながら夕餉を作って、小芭内さんの元へ持っていった。