第6章 ❀何度でも教えてください
「大丈夫か」
小芭内さんが冷えた濡れタオルを私の額に乗せて、私を起こしながら口に水を流し込んでくれる。それをコクンと飲み込んでから答える。
「は、はい…すみません」
完全に逆上せた。頭がガンガン痛むしもう最悪。あ、別に小芭内さんとの行為が最悪ってわけじゃなくて。
浴衣も小芭内さんが着せてくれたし、
至れり尽くせり。
「風呂場でやるのは無理をさせたな。済まない」
なんで小芭内さんは平気そうなんだろう。
やはり鍛え方が違うのかな。
「いえ、あの……小芭内さん。私は凄く、満たされました。愛しているって……ちゃんと伝わってきましたから。ありがとうございます」
「……お前はすぐに忘れるし不安になるからな。次不安になったらどうしてくれようか」
小芭内さんが微笑みながらそう言って、私の頬に手を滑らせる。
その手に、私の手を重ねた。