第5章 眩しい光
「ーーなまえ〜、夕飯食いに行こ…って、あれ」
なまえの部屋の扉を開けた硝子の視界に飛び込んできたのは。無機質だった部屋に溢れかえるインテリア用品と、ゴミの山と。そのど真ん中で、ソファで寝ている五条と、そのすぐ横の廊下で転がって寝ているなまえだった。あんなに何もなかった無機質な部屋が、随分と賑やかになっている。そんな光景に、硝子はぷっと吹き出した。
「ハハ、仲良しかよ」
くすくすと笑いながら、硝子はその様子をぱしゃり、と携帯のカメラで撮影した。
散々写真を撮ったあと、五条に掛かっていた毛布を引き剥がし、硝子はなまえに掛けてやる。
「五条はどーでもいいけど、なまえが風邪ひいたら可哀想だからね。それじゃ、仲良くおやすみ」
小さくそう言って、硝子は部屋の電気を消して、なまえの部屋を後にしたのだった。
その時硝子の撮った写真が、あの写真たてのアルバムの1ページに飾られる事になるのは―――もう少し先の事だ。