第15章 ハジメテをキミと。※番外編
「オイ、オイオイオイ。なに人の性癖を想像して好き勝手言ってんだよ」
言わずもがな、五条である。憎たらしく口元を歪めながらこちらにやってくる五条に向かって硝子は笑いながら続けた。
「ハハ、だってそーだろ?私の予想結構当たるんだよね」
「言っとくけど早漏ではない。僕がどんだけなまえとのシチュエーションセックスで焦らしプレイ味わったと思ってんの」
「シチュエーションセックスってようはオナニーだろ。オナニーとセックス同じだと思ってんなよ童貞。全然別モンだからな。つうか僕って何、ウケる」
硝子の言葉に、五条は顕著に顔を歪めた。18歳でこんなことが言えちゃう硝子はその道に関してもベテランなんだろう。流石である。そんな硝子に負けじと五条は続ける。
「相性が悪かったら合わせればいいだけの話だろ。そんな理由で離してたまるか」
「いやー男はわかってないねーセックスが女にとってどれだけ大事か。どーする、なまえ?小指だったら。さすがに無理だろ?」
『こ、小指って何が?専門用語…?』
「サイズだよアレの」
『ああ、サイズ!小指…』
気まずそうに五条を見上げる。
「大丈夫大丈夫。最強はちんこも例外じゃないから!」
そう言ってドヤ顔でウインクする五条を無視して、硝子が続ける。
「あ、なまえそーゆーの初めてだった?まーそうだよな。高1から五条に付き纏われてたわけだから、そんな暇ないよな」
『えっと―――』
「いやいや、逆に初めてじゃなかったら相手誰って話。何、なまえオマエ誰かと経験あんの?」
答えようとするなまえの言葉を遮り、五条が眉根を寄せながら言った。サングラスの奥でぎらり、と青い瞳が光る。
経験は勿論ないけれど、もしあったとしてもあったなんて言えない雰囲気だ。そんなこと言ったら高専がこのまま吹き飛びそうな殺気すら感じる。