第13章 雨後
「いやー、スマンな喪中に。許して」
パンダが謝るように両手を合わせてぺこりと頭を下げる。
「なまえからも聞いてたと思うが、話ってのは、オマエ達に"京都姉妹校交流会"に出て欲しくてな」
「京都姉妹校交流会ぃ?」
頭にハテナを浮かべる野薔薇に、伏黒が続ける。
「京都にあるもう一校の高専との交流会だ。でも二三年メインのイベントですよね?」
『その三年生達が停学中なのさ。憂太は海外だし、残った二年は真希と棘とパンダしかいない。人数が足らないだろ?』
「そういうこと。だからオマエら出ろ」
真希の言葉に、野薔薇は更に首を傾げる。
「交流会って何するの?スマブラ?Wii版なら負けないわよメテオで復帰潰すの」
「なら三人でやるわ」
パンダの突っ込みの横で、なまえが続ける。
『東京校、京都校、それぞれの学長が提案した勝負方法を1日ずつ2日間かけて行う。と言ってもそれは建前で、初日が団体戦、2日目が個人戦って毎年決まってるの』
「しゃけ」
「個人戦、団体戦って…戦うの!?呪術師同士で!?」
「あぁ。殺す以外なら何してもいい呪術合戦だ」
にやり、と笑いながら真希が言う。そんな真希を見つめながら、野薔薇が問う。
「でも、そんな暇あんの?人手不足なんでしょ?呪術師は」
「い〜い質問ですねえ」
合いの手を挟んだパンダに続いて、真希が答える。
「冬の終わりから春までの人間の陰気が、初夏にドカッと呪いとなって現れる。繁忙期って奴だ。年中忙しいって時もあるが、ボチボチ落ち着いてくると思うぜ」
「へえ〜〜……」
「で?やるだろ?仲間が死んだんだもんな」
「「―――やる」」
二年生達の問いに、伏黒と野薔薇は考える間もなく頷いた。
二人の脳裏に浮かぶのは、昨日まで肩を並べて笑っていたはずの、彼の背中。
―――強くなるんだ。そのためなら、なんだって