第12章 StrawberryMoon
『ひゃあ…っ…や…っ』
ゆっくりと抑揚をつけながら、ナカで彼が動く。その度にじわじわと湧き上がる快感と、耳元で聞こえる彼の少し乱れた色っぽい吐息とで、頭の中がおかしくなりそうだった。両手で腰をがっちりとホールドされ、彼の腰の動きが徐々に早まっていく。ぐちゅぐちゅと交わる身体の打ち合う音が大きくなっていって、静かな部屋に響いた。その音が余計に、身体を熱くさせる。ただひたすら快感に溺れていれば、急に動きが止まった。ナカに入ったまま動かなくなったと思えば、耳元で声がした。
「…ねえ、こっち向いてよ」
『…っ、この体勢で無茶言うなよっ』
「オマエの顔見てイキたいんだよね」
そんなことを言うものだから、なまえは渋々ゆっくりと首を後ろに向けた。にやりと妖しげに嗤っている五条の顔が妙に色っぽくて、目を合わせているのが恥ずかしくなる。けれど、そんな事はお構いなしとでもいうように、瞬間、再び奥まで打ち付けられる。
『ひあっ……!』
思わず大きな声が漏れ出てから、彼の吐息も荒くなっているのを感じた。腰の動きが更に激しくなって、五条の口から吐息が漏れた。
中で絶頂を迎えたソレがどくどくと脈打っているのがわかる。ナカの奥でびくつくその動きすら気持ちがいい。余韻に浸るようにそれを感じていれば、そのまま後ろから、思い切り抱き締められたのだった。