第5章 遊郭編
荻本屋____
「いや〜本当に凄い人気だねぇ小春花魁!」
『“そんな事ないですよ、ときと屋の鯉夏花魁や京極屋の蕨姫(ワラビヒメ)花魁に比べたら私なんて下っ端ですから”』
小春は荻本屋1の花魁まで乗りあがっていた。宇髄がこの日来る事は知っていたが、まさかあの3人を引き連れてくるとは思ってもいなかった。
念の為、あの花魁道中の時に小春と宇髄にしか分からない手の暗号で、今夜8時に荻本屋の自分の部屋に来るよう伝えてある。
部屋に帰って肩の荷を降ろそうと部屋に帰ると
「あら、案外早かったのね」
『……』
そこには京極屋 蕨姫がいた。
『“今日はどうなさったのですか?”』
戸を閉めて微笑みながら問いかけた。
ここ最近、いつの間にか彼女が小春の部屋に来ている時が多いのだ。
蕨姫は小春の目の前に来て両手で頬を包んだ。
蕨姫「いつ見てもアンタは綺麗な顔をしているね…
________食べてしまいたいくらいだわ」