第4章 外伝 優しい理由
実弥「早く食っちまえ。冷めるぞォ。」
手を合わせてから今川焼を持った。思っている以上にそれはずっしりとしている。
小さな口を開けてパクりと食べた。
もちもちとした生地と中の甘いあんこが口の中でふんわりと広がる。白玉はきな粉の香ばしい香りと柔らかい白玉がちょうどいいバランスを保っている。
小春にとっては初めての味だった。
実弥「美味いか?」
『……!(コクコク』
実弥「そうかィ。それは良かったなァ」
ふと不死川の方に目を向けると、丸いあんこの塊のようなものがあった。
小春が不思議そうに見つめていると、不死川と目が合う。すると、4分の1ほどの大きさに切り小春の口元まで持ってきた。
実弥「食ってみろォ。味は保証する。」
不死川の言われるままにそのまま食べてみると、やはりこれも美味しかった。あんこともち米だけでこんなにも美味しいものが出来上がるものかと、小春は驚きと美味しさで頬が落ちそうだった。
自分だけもらうのは気が引けると思ったのか、小春は白玉を彼に差し出した。一つとって彼も口に含む
実弥「……悪くねぇな。」