第4章 外伝 優しい理由
宇髄「ほら、何か言おうとしてたんじゃねぇのか?」
宇髄に言われるとそいつは懐から紙と鉛筆を取り出し何かを描き始めた。俺も含めて不思議そうに見ている。
『“今日から柱に就任しました。
水那月 小春といいます。
私は声を出す事ができませんが、紙に書いて一生懸命伝えるので、どうぞよろしくお願いします”』
此奴を見てると何故か懐かしい記憶がよみがえった。忘れようとしても忘れられない記憶。弟や妹の笑う姿。
煉獄「うむ!宇髄の弟子と聞いて派手な奴かと思っていたが!
宇髄とは似ても似つかないな!!とても可愛らしいようだ!」
宇髄「ア゙ァ゙?何言ってんだよ!
髪色は俺と同じくらい派手だわ!!」
横で言い合いをしている宇髄と煉獄を他所に、俺はそいつの目の前まで近寄った。
緊張してんのか、怯えてんのか分からないが、頬から冷や汗を流して俺を見つめた。傍に来るとより体が小さいのがわかる。
手を伸ばしてそのまま頭を触った
『……ッ…!?』