第2章 唄柱
『…うぅ……ッ…』
宇髄「……」
宇髄は静かに涙を流す少女を引き寄せ、優しく抱きしめた
宇髄「……悪ぃな…俺がもっと早く来てればお前の兄貴は鬼にならずに済んだかもしれねぇ…」
『……(首をふる』
宇髄「鬼っつーのはなぁ、お前の兄貴だけじゃねぇ。他にも死ぬほどいる。
俺はその鬼を殺す鬼殺隊の隊士だ。ここからはお前の自由だが、お前も隊士になれば兄貴を鬼にした奴を倒せる。
兄貴を救いたいなら着いてこい」
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『“その日から私は師範の継子として鬼殺隊に入隊したの、”』
善逸「そんなことが……」
悲しい話のはずなのに、彼女は慎ましやかに笑う
『“ごめんなさい。しんみりさせるつもりは無かったんだけどな…”』
キョロキョロと辺りをみてから、小春は立ち上がった
『“じゃあ、私はこの後しのぶちゃんに用事があるので。”』
炭「待ってください!!」
『…?』
炭治郎も彼女に続いて立ち上がった。そしてその細い身体を優しく包み込んだ。
『…!?』
炭「辛い時は、いつでも泣いていいんですよ?
小春さんから悲しい匂いがすると、俺も悲しいので」
『(…炭治郎くん……)』
小春は自分よりも大きな背中に手を回し、炭治郎を抱きしめ返した