第4章 理性
行為をした後の朝の任務はキツかったが、難なく終わらせれた。
その夜は我慢が出来て、敦や芥川にやってもらわずにすんだ。
けど、何か足りなかった。
その気持ちの正体が分からずに、また次の朝がやってきた。
今日も、いつもと同じように体が熱い。
気持ちがもやもやしたまま任務先の路地を歩いていると、見覚えのある高身長の姿を見つけた。
引き返そうかと思った。
それは、苦手な人だったからだ。
見覚えのある姿の人はに気づいたらしく、名前を呼んできた。正体は太宰だった。
「やぁ、ちゃん。久しぶりだね」
そう云いながら太宰は近づく。
『……はい』
「元気にしてたかい?」
『 はい』
嫌な顔をしながら、は答えた。
『 あ、』
「如何したんだい?」
そう云えば、太宰の異能力は無効化だ。
この体が熱くなるのを無効化して欲しくて、ある程度の説明をした。
もちろん、行為をしたら熱さが消えるというのは話さなかった。
は無効化して貰おうと頼んだ。
「ふふ、ちゃんからの頼みとは嬉しいねぇ」
太宰は、うんうんと頷きながら引き受けてくれた。
早速、異能力を発動させての体に触れた。
「如何だい?」
『……治まらないです』
太宰は手を口元にあてて、考え込んだ。
「体に聞いた方がはやい」
『 え?』
太宰はの手を引いて、人混みの中を歩き始めた。