第38章 ファン1000名様突破記念 読み切り
その後、ガイは結局 十本もの焼き鳥を一人で平らげ。
アスマはアスマで、燗で一升瓶を空けた。
そろそろお開きか、というムードが漂い始めた時。ガイがおもむろに口を開いた。
「カカシよ…。最後にこれだけは伝えておく。
俺はな、お前が心配だ」
大した量も飲んでいないのに、赤い顔をしてガイは続ける。
「このまま誰彼構わず手を出していたら、この先お前にとって本当に必要な人が現れた時、それに気付けなくなるんじゃないかってな」
ガイのこの言葉を聞いたと同時に、ギクリとした。おそらく図星だったのだろう。
薄々、自分でも分かっていた事だった。
それにこのまま、自分にとって楽で都合の良い相手に流されていても。きっと俺の心を突き動かしてくれるような出逢いには、一生巡り会えないだろう。
「…本当に、必要な人ね…。俺にもやっぱり、いると思う?そんな人が」
「そりゃお前…いるだろ。多分」
途端に目が泳ぐアスマ。なんだか頼りない答えだ。ここはもう少し自信を持って、いる!と言い切って欲しいものである。
「大丈夫だカカシ!!なんたってお前は俺の永遠のライバルじゃないか!!一緒に切磋琢磨していけば、必ず運命の人に出会えるに決まってるさ!」キラリン
ガイの方はアスマと真逆で、謎の自信に満ち溢れている。どうして俺が運命の人と出会う為に、お前のライバルであり続け切磋琢磨しないといけないのか。もう根拠がめちゃくちゃだ。
俺の運命の人とガイがセットだなんて、心底ゾッとする。
でも…。それぞれに俺を励まそうとしてくれている気持ちだけは、ひしひしと伝わってくる。
それだけで嬉しくて、自然と顔もほころんだ。