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モノクローム【NARUTO】

第38章 ファン1000名様突破記念 読み切り




「だいたいカカシお前は、任務以外の時に気を抜き過ぎだ!!腑抜けた顔をして!もう少し普段から物を考えてだな!!」

「おいガイ。なんでもいいが大声出すな、さっきから唾が飛んでんだよ!」

心底呆れ返った様子のアスマが、ついに口を挟んだ。

「ぐっっ!と、とにかく!
そんな雑な事ばかりしてるから、女にも振られるんだぞカカシ!!」

「あー、ガイが酷い事言った。ちょっと聞いた?アスマせんせー。今日は俺の傷心を慰める会だってのに」

頬杖をついて、訴えかけるような視線をアスマに投げかけると。彼は半笑いで答える。

「はっ。大してダメージ負ってない奴を慰めるほど、俺達は暇じゃねぇよ」

「そうだぞ自惚れるな!!」

「うーん、やっぱりバレてる?」

どうやら二人には、伝わっているらしい。
俺がどれだけ異性との別れを繰り返そうと、何も感じていない事が。

本当に執着しているのなら、きっと今ごろ心が抉られるような痛みに襲われているに違いない。多分。
多分…としか言えないのは、もちろん俺がその痛みを経験した事がないからだ。

どれだけ時間を共に過ごそうが、どれだけ体を繋げようが、去りゆく背中を追いかけたいと思った事も、縋り付きたいと感じた事もないのだ。


「なんにせよだ!お前は俺に相応しいライバルとして、そのズボラで大雑把な性格を直せ!」

どうやら、食い物の恨みは恐ろしいらしい。ガイはまだ鼻息を荒くして俺に食ってかかる。

「あのね。お前こそ、その細かくてねちっこい性格直さないと、彼女の一人も出来ないんじゃない?」

「なっ…!!なんだと!?」

一瞬で顔に赤が差すガイ。すぐにまたつまらない言い分を切り返してくる。

「俺のどこが細かいんだ!?当たり前の事を言ってるだけだろ!?
おいアスマはどう思うんだ!?」

「えー…?」

アスマの顔が物語っている。頼むから もうその下らない会話に俺を巻き込んでくれるな、と。

「雑な男の方が、女にモテないと思うだろう!?」

「細かい男の方が、女には嫌われるよね?」

俺とガイは、それだけ言うと黙ってアスマの返答をじっと待った。

「……俺に分かるのは…。

焼き鳥一本で、ギャーギャー喚く男は論外。って事ぐらいだな」

「「……間違いない」」

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