第37章 ピックアップ記念 読み切り
私がラーメンと格闘している間、どこかに姿を消していたイルカが帰って来た。
イ「は…はっ、…はぁ」
ナ「??息切らして、どこ行ってたんだ?」
イ「ちょっと、これ…買いに」はぁ
そう言った彼の手に握られていたのは、一本の組紐。
『…可愛い』
イ「ラ、ラーメン食うのに、髪が邪魔そうだったんで、買って来ました…。
お祝いの品が、こんな安い物で申し訳ないですけど///」
『…いえ、凄く嬉しいです。あの、良かったらイルカ先生が結ってくれますか?』多分自分じゃ上手く出来ないんで
イ「は、はい!俺で良ければ!」光栄です
イルカは、器用に私の髪を手櫛でまとめてから結い上げる。
イ「…///」どきどき
『ありがとうございます!これでラーメンも食べやすいです。
それにイルカ先生と、お揃いですね!』ポニテ
イ「ぅ、///」かわっ、
ナ「………」なーに見せられてんの俺ってば
——————
『…はぁ』
私は重たい着物に身を包んだままで、家路に着く。
太陽は早くも傾きかけている。いい加減に着替えたい。
なんとかラーメンの汁を着物に飛ばす事態は避けられた物の…。いつまでもこんな高価な着物身に付けていられない。
一番良いのは、ミナトに返す事だけど…
彼の事だ。素直に受け取ってはくれないであろう。
と、なると…
『…はぁ。半返し、か』
シ「よう。浮かねぇ顔してんな」っていうか凄い格好してんな
『……シカマル君、半返しって知ってる?』
シ「は?」
『お祝いなんかでもらった品物のね、半分の額を送り主に返すっていう…日本の風習なんだけど』
シ「…まためんどくせぇ事考えてんのな」日本?
『百万の半分っていうと、五十万だよ?五十…
はぁ。いや さすがにそんなお金、ぽんと出せないわー…』ぶつぶつ
シ「……」