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モノクローム【NARUTO】

第34章 ※目撃と選択と、三人と行為と




『………』

「………」

「………」

私達は、三人でテーブルを囲んでいた。

明らかにイラつくカカシ。

飄々とした態度のサスケ。

悪戯がバレた子供のように小さくなる私。


どうしてこんな会議が開かれる事になったのか。
それはもちろん、さきほどのキスシーンを ばっちりカカシに目撃されたからである。

よほどの衝撃を受けたのだろう。カカシは手に持った木製のカップを落としてしまったのだ。

そして それが床に落ちる音で、今度は私とサスケが驚く番だった。


「いや…本当に驚いた…勘弁してくれ!心臓が止まるかと思ったよ」はぁ

『ご、ごめんなさい』

「細かい事を気にするな」

「……細かい、事?」

『サ、サスケ君!ちょっと!』

まるでカカシの怒りを増長させたいかのようなサスケの口調。

「…お前には、教育が必要みたいだな。どーも」

椅子から立ち上がり、私にも分かるくらいの殺気をサスケに向けるカカシ。

「お前だって抜け駆けしてただろ。
俺が気付いてないとでも思ったか。馬鹿カシ」

「『!!』」

サスケの余裕は、ここから来ていたのか…。
彼は知っていたのだ。私とカカシが既にキスなどをしていた事実を。

カカシはしぶしぶ再び椅子に腰掛ける。

「…あのねぇ、それは否定しないけど。
お前は迂闊過ぎだサスケ。俺が同じ家にいるタイミングに、台所で、って…」

「だから、場所なんて別に大した問題じゃないだろうがって言ってんだろ」

『ちょ、もうっ。サスケ君もはたけさんも一度落ち着いて下さい!

それに…サスケ君だけを責めるなんて、そんなのは おかしいです』

さきほどのキスは、どこからどう見たって合意の上でのキスだった。
それなのに、カカシは私を一切責めない。

「…この状況を作り出しているのは、サスケと俺だ。エリを責める事なんて出来ないよ」

「………」

カカシの言葉に対して、サスケは何も言わない。
同じ考えだから なのだろうか。

カカシとサスケが、私に想いを寄せてしまったから。同じ相手を好いてしまったからこそ、出来上がってしまった状況だとでも言いたいのだろうか。

しかし、それは違う。カカシの言っている事は間違っている。

この状況を作り出してしまっているのは、

臆病な私自身だ。

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