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モノクローム【NARUTO】

第34章 ※目撃と選択と、三人と行為と




「っ、ごめんね。毎度毎度…」

カカシをベットに移動させる。

彼はこう言っているが、何も毎回ここまで疲弊仕切って帰ってくるわけではない。

彼がこうなる時の多くは Sランク任務の時。しかもそれも頻繁にある事ではない。
今日も彼は、ギリギリのところで命のやり取りをして来たのだろう。

『また、大変なお仕事だったんですね。お疲れ様です』

「…君が家で待っていてくれると思うと、なんて事はないよ。

しかもSランクの後は、口付けまでなら君からの許可が下りてるわけだから。
嫌でも気合いが入るんだよね」

『…はたけさん、意外と現金な人ですよね』

私は、彼を見つめながら。ゆっくりとベッドの端の空いたスペースに座る。

「どーも、そうだったみたい…」

カカシが、寝転んだまま私に手を伸ばす。
しかしその手は私に届く事なくパタリと落ちた。

「あー…駄目だ。ごめん。少し休むね…
このままだと、ろくにエリに触れられないよ」

『…ふふ、分かりました。ゆっくり休んで下さいね』

怪我をしている訳ではない。また体内のチャクラが空になるまで使ったのだろう。

あまり無茶な戦い方はしないで欲しい…。

「……」

再び彼に視線を落とすと、もう既に安らかな寝息を立てていた。よっぽど疲れていたのだろう。

この家には今私と彼の二人きり。それならばと、私は彼の口布をゆっくりと下げる。
この方が、多少は呼吸が楽になるかと思っての行動だ。

決して…
私が、彼の寝顔を盗み見たいから。ではない。
そんな下心からでは、断じてない。

『……綺麗な顔』

左目に大きな傷があるにも関わらず、そんな感想を抱かせてしまう彼は。本当に美形の類だ。

そんな彼と、数時間後には抱き合って。そして熱いキスをしているのかと想像するだけで、

心臓が慌ただしく動き出してしまうのだった。


我ながら、大胆な約束をしてしまったものである。

Sランク任務の後は、彼の昂ぶった気持ちを落ち着ける為に。ハグやキスならOK。そういう約束だ。

『……』

中途半端。全てにおいて私は中途半端だ。

はたしてこの中途半端な身体の接触が、本当にカカシの為になっているかなど。
まったくもって怪しいものである。

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