第4章 黒いダイヤと、恋と愛と
「エリが茶碗を上げた瞬間に、俺が火遁で息の根を止める」
「サスケ!俺は一体どこにどう突っ込んだらいいんだ!」火遁て!
室内でそんな技を繰り出すか普通!?しかもゴキブリ一匹に!
「なめるな。弱火も行ける」
「『弱火…』」
サスケが小さく息を吐くと、そこからチリチリと炎が見える。
「待て待て。落ち着け!大丈夫だ。俺がやる!俺に任せておきなさい!」
俺は近くの目に付いた雑誌をくるくると丸め、それを茶碗の近くで構える。
「…さぁ!いつでもどうぞ!」茶碗上げて!
『ちょ、ちょっと待って下さい!それ、雑誌で、どうするつもりなんですか!』
「え、どうって…普通にこれで叩いて始末しようかと…」
『っ…あなた、なんて恐ろしい事を』
まるでこの世の終わりのような顔をして、彼女は俺を見る。
『そんな固いもので、コレを叩き潰すなんてなんて恐ろしい事…。そんな事をすれば、コレの色んなアレやソレが辺りに散り散りになって…』
どんどん彼女の顔色が悪くなってくる。
「…じゃぁどうして欲しいんだ」
『うーん…』
「そうだ!こういうのはどうです?」
俺はたった今思い付いた案を二人に説明する。
まずは、茶碗の周りに強力な両面テープを張り巡らせる。
それから 茶碗をどけて奴を解放する。
逃げ場がなくなった奴は、否が応でも粘着テープの餌食になる。
テープの罠に引っかかった奴を、俺がテープごと処理する。
『それはナイスアイデアですね!』ホイホイ式!
「そうでしょう!」
「アンタら、重要な事を失念してるぞ」