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モノクローム【NARUTO】

第27章 到着と生贄と、執念と偽善と




「…ははっ!本当に何の躊躇もなくやりやがった!さすがだな…。
人の心を捨てた、化け物め」

『……』

私は、目を逸らさなかった。

カカシの忍具が、彼女の体を貫くのを。

私が目を逸らしてはいけないと、思ったから。

二人の戦いをちゃんと見届けなくていけないと、思ったから。


「ほんとに…あの時から何も変わらねぇな。アンタ等は。

自分と、自分の大切な奴だけが助かれば…誰を犠牲にしても平気ってツラしやがって」

『平気な…わけ、ないよ。やめてよ…
やめて…もう、…シュン』

「…エリ、残念だけど、そいつは

“ シュン ” じゃない」

『え?』

カカシの放った言葉の意味が分からず、私は目の前の男の顔を確認する。
混乱する私を置き去りに、カカシが続ける。

「久しぶりだな。“ セツナ ” 」

シュンは、いや。セツナと呼ばれた男は、カカシを見てニヤリとほくそ笑んだ。



「…結局、ここに来たのはお前一人か。
クソ火影はどうした」

「あの人は色々あるから。勘弁してあげてよ。
それよりも…そろそろ俺達、帰りたいんだよね」

カカシはアゲハを貫いた忍具を、地面に強めの力で突き刺した。
そしてすぐさま新しい物を構えてセツナを睨み上げる。

「……焦んなよ。俺は言ったはずだ。

二人揃ってここに来ないと…」

カチャリと、私の喉元に鋭利な刃物が突き付けられた。この冷たい物質は、何度当てがわれても慣れる事は出来ない。

「こいつの命は無いってな」

「……セツナ」

カカシは、下手に動く事が出来ず。武器を構えたまま固まっている。おそらく頭の中はフル回転で、私をここから助け出して 共に里へ帰る為の算段を画策しているはずだ。

「お前が俺と先生を恨んでいる事は、重々知ってる。
でも、彼女を巻き込んだ事…俺は絶対に許さない。

相手が例え…セツナ、お前であってもだ」


「…なぁ、もう少し待ってやる間に

昔話でもしねーか」

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