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モノクローム【NARUTO】

第27章 到着と生贄と、執念と偽善と




扉から、勢い良く飛び込んできたのは。

数日ぶりに顔を見る、カカシだった。


あぁ、やっぱり思った通りボロボロになってる。

髪も返り血で赤く染めて、ベストも服もところどころ破けてしまって。
大きく肩で息をして。表情だって、いつもの温和なそれは見る影もない。

怒り…。
彼の中を今満たしている感情は、怒りだけなのだろう。それくらいの表情を顔に貼り付けていた。


「……エリ!!」

彼は聞いたこともないような声で私の名を呼び、私とシュンの方へ駆けてくる。

しかし、シュンは私への行為を止める素ぶりは見せなかった。それどころか、より強く私の肌を吸い上げるのだった。

『っ、…はたけ、さ、 お願…見ない で』


その時、彼女がカカシの前に躍り出る!

カカシの苦無と、アゲハの苦無が激しくぶつかり そのままギリギリと拮抗する。

「アゲハ?!」

カカシは酷く驚いた様子で、後ろへと飛び。アゲハから距離を取った。

「…はたけさん」

うっとりと、アゲハはカカシを見つめていた。

「どういうつもりだ」

「別に…どうだって、なんだっていい…
はたけさんが、私を見てくれるなら…相手をしてくれるなら。

木ノ葉だって、時の里だって…別にどうでも。どっちでもいいんです…」

「…なるほどね。そういう事なら…ごめん。
俺いま、なりふり構ってられないから」

カカシはそう言うと、アゲハに向かって再び殺気を放つ。


『っ、どっちでも、いいって…?』

私は少しでも彼の手を拒もうと、懸命に身をよじってみる。

「最初から分かってた。アゲハが木ノ葉のスパイだって事はな。

ただ、アイツの本心に触れた時思った。あぁこいつも、利用出来るって。

俺こそどうでも良かったんだよ。アゲハが完全に味方になっても、ならなくても。

利害が一致しただけだ。アイツは、カカシに構ってもらえればなんだっていいんだからな」

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