第24章 エメラルドと瞬と、酒乱と酒乱と
「相変わらず不器用だね、君は。
いいよ。そこまで隠したいなら追求をやめてあげても。
その代わりほら」
ミナトが少し屈んで、私の耳元で囁く。
「もっと必死になって俺をほだしてごらん」
『な、なっ、なんか、卑猥です!ミナトさ』
「卑猥…ねぇ。それを言うなら、男女が二人ひとつ屋根の下で酒を
飲もうってなった時点で、こういう展開を予想してない君が悪い。
言ったでしょ?俺の気持ちもっと真剣に考えて貰う為に、煽っていくって。
だから、警戒してない君が悪いんだよ」ふ
『あ、そういう事なら…』
最高のタイミングで、玄関の扉が開かれる。
「え…あの、こ、こんばんは」なになになにこれ
『ちゃんと警戒してたんで、イルカ先生もお招きしてあります』
「ん、…意外と優秀じゃないかエリ」チ
すごい圧で私に迫り来るミナトを、なんとも言えない表情で見つめ固まるイルカだったが。
なんとか彼は自分を取り戻したようだ。そんな三人で食事を始める。
『美味しい…!ワイン、久しぶりです…』
「凄い色ですね、血みたい…」
「うわ、結構これ度数高いね」
三者三様の感想を述べつつ、楽しい食事会は進む。
『イルカ先生は、デザート持って来て下さったんですね!私甘い物大好きなんです。ありがとうございます』
「ほんとですか?良かったです…なんとなく好きそうだなって、思ったんで」
「俺も甘い物好きだよ、たしかカカシとサスケは二人揃って甘味は駄目だったよね」
そうなのだ。だから私も甘い物を食べる機会が自ずと減る。
『そうなんです…でもやっぱり、たまには甘い物欲しくなるんですよね』
「…味覚が共通してるって、大切な事だよね?
だからほら、絶対カカシとかより俺と結婚した方がいいって」
「けっ!?」ぶふっ
『結婚って…ミナトさん、飛躍しすぎです』