第21章 イブとヤキモチと、報いと長期戦と
「さあカカシ!!今日は何の勝負にする!?特別に今日はお前に種目を選ばせてやろうじゃないか!」キラリン
『…勝負、ですか?』
「その通ーーり!ライバルとは、互いを高め合う為に切磋琢磨するものだ!!例え休日にたまたま合間見えただけだとしてもな!!」
『な、なるほど!』
「……」
熱々のガイに比べ、冷々のカカシ。もしかすると二人は互いの存在の捉え方に、かなりのギャップがあるのでは…。
「じゃあ今日は徒競走ね。どちらが早く里入り口の門に着くか勝負」
「徒競走か!!悪くないぞ!走りは足に自信のある俺にいささか有利だとは思うが、我がライバルのお前なら」
「はいよーいどん」
「今日の白星は絶対に俺がいただーく!!」
人類で最も足が速い男なのではないか?という勢いで、ガイは私たちの前から消えて行った。
『あ…、あの。はたけさん、いいんですか?ガイさん行ってしまいましたけど…』
「そうだね。俺たちも行かないと。少し走るよ?」
『え』
私はカカシに手を握られて、走り出す。
しかしその方向は、ガイが走って行った方向とは真逆だった。
「ここまで来ればいいかな。ごめんね、走らせちゃって。大丈夫?」
『は…はっ…///っ、はぁっ』
「だ、大丈夫!?」ほんとに!
恐らくカカシはゆっくり走っていたのであろう。しかし私からすれば、ほぼ全力疾走だった。
彼に手を引かれていないと、到底ここまで走る事は出来なかっただろう。