第19章 見舞いとミスジと、鳥と休息と
「そんなに喜んでくれるとは。まだまだ家にあるから持って来ようか?」
『い、いえ!そんな…悪いですよ』
遠慮する私に、じゃあこうしよう!とミナトが提案した。
「今日ここで好き焼パーティしない?ナルトも連れて夜また来るからさ」
「え、ちょ」
『なんて素敵な提案なんですか!』キラキラ
あれよあれよと言う間に、提案は計画に変わり。好き焼パーティは今夜決行される運びとなった。
「カカシは無理しないでいいからね。寝てて」
「夜までには、絶対に動けるようになってやりますよ」意地でも
ミナトは、私が出したお茶をすすりながら言う。
「あ、そうだ。今日ここに来たのは、カカシの見舞いもそうだけど。エリと話をする為でもあったんだ。
どう?仕事の方は。
評判は上々って聞いているよ。斬新で、実用的で面白い講義だって」
『いや、そんな大袈裟なものでは…
ほんとに、ほとんど私が好きな話をしているだけなんですよ。
効率の良い栄養吸収の方法とか調理法とか…。それが、皆さんの役に立っているなら嬉しいですけど…』
その時。窓の外から、コツコツ。という軽い音が聞こえてきた。
この曜日の、このタイミング。私にはこの音の心当たりがあった。
「伝書鳥?」
と、カカシ窓の外に目を向ける。
『はい。イルカ先生からです。いつもこうして、明日の調理実習を受講者数の連絡して下さるんですよね』
彼のおかげで、私は休みの日にわざわざアカデミーに出向いて、受講人数を確認しなくても済んでいるのだ。
「へえ!何人受けるの?」
『明日は…六十一名ですね』
私は、伝書鳥の足に結び付けられた文を開いて人数を確認する。
「すごい人数だね。まぁでも君が、楽しそうで良かったよ。こちらとしても、助かるしね」
『このお仕事を紹介して下さったミナトさんには感謝しています』